欠片
分け合うための会話
採用されなかった会話
彼女は「そう……」と静かに呟き、申し訳なさそうな表情を浮かべた。 「宇宙船の私も、やっぱり失敗したのね」 「それは違う。君は俺達のためにあらゆる手段を用意してくれた。こんな結果になったのは、俺達人間の力不足だ。君は自分にできることを十分にやってくれた」 「それでも、私は人を救うために生み出された存在だった。目的を果たせない道具は、やっぱり失敗作だと思う」 確かにテレイアは人類の未来を背負っていた。彼女にのし掛かっていた期待の重さは、星の重さそのものだったと言ってもいい。けれど、その責任は彼女ひとりに背負わせるべきものではない。 「どんなに優れた道具だって、使い手が悪ければ目的を果たせない。だから、全ては人間が招いた結果だ。その愚かさの責任は俺達が背負うべきなんだよ」 「でも⸺」 彼女は誤った学習をしてしまったのだろう。そんなところまで人間と同じだった。失敗の学習、誤った前提と認識、不適切な環境、それらが彼女を歪めてしまった。 「じゃあ、こうしよう。俺達は互いを補い合う友達なんだろう? だったら、地球と人間を救えなかった責任を、俺達二人で分け合ったらいい」 テレイアはしばらくこちらを見つめてから、最終的には根負けしたように小さく溜め息を吐いた。 「強情……」と彼女が言う。それに対し俺は「じゃあ、君は分からず屋だ」と答えた。